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SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2018

EVENT REPORT

2018年3月1日(木)の
SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2018授賞式の
イベントレポートを公開

スペースシャワーTVが主催する音楽の祭典『SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2018』が、3月1日にパシフィコ横浜にて開催された。

スペースシャワーTVの視点で1年間の音楽シーンを総括し、様々な音楽コンテンツで功績をあげたアーティストとクリエイターに、感謝と敬意を込めて表彰する本アワード。2016年にスタートし、今年で3回目の開催となる。MCに、いとうせいこう、ユースケ・サンタマリア、きゃりーぱみゅぱみゅを迎え、計27部門の各賞の受賞者が発表された。


2017年を代表する最優秀アーティスト賞「ARTIST OF THE YEAR」の栄冠に輝いたのは、「BEST POP ARTIST」を受賞した、ゆず。ライブアクトの大トリを飾った2人は、大勢のバックダンサーを引き連れ、観客がタンバリンを鳴らす中「タッタ」を披露。北川悠仁が「僕たちのふるさと横浜、そして僕たちのふるさと、このスペースシャワーでこんな素晴らしい賞をいただけて嬉しいです!」と感謝の意を表し、1998年6月にスペースシャワーTVの「POWER PUSH!」として選ばれたデビュー曲「夏色」を熱唱した。2017年、ゆずは20周年を記念したオールタイムベスト『ゆずイロハ 1997-2017』をリリース。ほかにも、30万人を動員した初のドームツアーを開催し、夏には『SWEET LOVE SHOWER』をはじめとした全国8カ所の夏フェスにも出演。精力的な活動が、今回のアニバーサリーイヤーを締めくくる記念すべき受賞へと結実した。

35万票もの一般投票によって決定する優秀アーティスト賞「PEOPLE’S CHOICE」には、星野 源が選ばれた。社会現象となった、2016年リリースの「恋」から人気の熱を冷ますことなく、20万人動員の初アリーナツアー『Continues』を成功させ、8月には、多様な家族の形を描いた「Family Song」をリリースした。この楽曲のミュージックビデオで「BEST ART DIRECTION VIDEO」も受賞。2018年の目標については、「自分ができる方法を駆使して、たくさん遊んでいきたいと思います」と飽くなき探究心と音楽愛を見せた。

年間で最も優れたミュージックビデオに授与される「VIDEO OF THE YEAR」は、平井堅の「ノンフィクション」が受賞。田辺秀伸が監督を務めたMVでは、舞踏家の工藤丈輝を起用し、花束を持って歌う平井と緊迫感がありながらも情熱的な舞を見せる工藤の対比は、楽曲で描かれている人生の本質を問うメッセージを見事に映像化している。ライブパフォーマンスでは、アコースティックギターの弾き語りに乗せ、平井が息を呑む気迫で「ノンフィクション」を披露した。

「打上花火」で授賞式の幕開けを飾ったDAOKOは、この楽曲で「SONG OF THE YEAR」に輝き、最も活躍した新人アーティストに贈られる「BEST BREAKTHROUGH ARTIST」も獲得。DAOKOは、「たくさんの素晴らしいアーティストとコラボできた年でした。」と充実した2017年を振り返った。

アルバム『BOOTLEG』が今なお人気爆発中の米津玄師は「BEST MALE ARTIST」に輝いた。フィールドの垣根を越えた共演が反響を呼んだ「灰色と青( +菅田将暉)」で、「BEST COLLABORATION」も獲得。菅田とのツーショットで喜びのコメントを届けた。また、DAOKO×米津玄師名義の「打上花火」は「SONG OF THE YEAR」にも選出された。


「BEST FEMALE ARTIST」には今年引退する安室奈美恵が選ばれ、惜しみない拍手を送られ、30年に渡り、日本の音楽文化の発展に多大なる貢献をしてきた桑田佳祐には「BEST ACHIEVEMENT ARTIST」が贈られた。

Suchmosは、昨年1月にリリースしたアルバム『THE KIDS』が大ヒットを記録したこと、4月に主宰レーベル「 F.C.L.S .」を始動させたことなどから「BEST ROCK ARTIST」と、「BEST NEW VISION」の2部門を受賞。ライブでは「WIPER」と新曲「808」でフロアを熱く揺らした。

アルバム『Ambitions』でチャート上位を席巻し、ワールドツアーを行うなどの活躍が評価されたONE OK ROCKは、「BEST GROUP ARTIST」に堂々輝き、海外で最も活躍したアーティストに授与される「BEST ACTIVE OVERSEAS」も受賞。喜びのコメントと、海外での最新ライブ映像を含むSPECIAL MOVIEを上映し、会場を沸かせた。

エド・シーランは、世界的ヒットとなったアルバム『÷(ディバイド)』が国内のストリーミング再生回数1億回を突破し、「BEST INTERNATIONAL ARTIST」を獲得。
水曜日のカンパネラは、「BEST GROOVE ARTIST」に輝いた。ライブではミラーボールを使ったパフォーマンスでコムアイが客席を練り歩きながら「一休さん」を披露。クリエイティビティとエンターテインメントが交差する世界観で会場を魅了した。


「BEST MUSIC FILM」を受賞したのは、X JAPANの壮絶な歴史を追ったドキュメンタリー映画『WE ARE X』。世界中で賞賛された本作の受賞を受け、YOSHIKIが海外から感謝の言葉を届けた。


また、「BEST VIDEO DIRECTOR」は、宇多田ヒカルやSuchmosなど多くのMVを手がける山田健人が受賞し、「BEST CONCEPTUAL VIDEO」はヤバイTシャツ屋さんの「ヤバみ」が選ばれた。ヴォーカル&ギターの、こやまたくやがセルフディレクションし、ミュージックビデオの常識を覆した。


サカナクションは、昨年「6.1サラウンドシステム」を導入したライブを行い、“TEAM SAKANACTION”として「BEST LIVE PRODUCTION」を獲得。
小沢健二は、CDシングルとして19年ぶりとなる『流動体について』、SEKAI NO OWARIとのコラボ『フクロウの声が聞こえる』など、総合的なクリエイティビティで「BEST CREATIVE ARTIST」を受賞した。


「BEST HIP HOP ARTIST」を受賞したPUNPEEは “SSTV CHANGED MY LIFE”というメッセージが胸元で発光する衣装で登場し、受賞の喜びと共に“スぺシャ愛”を語った。

そして、デビュー30周年を迎え、「BEST RESPECT ARTIST」を受賞したのはエレファントカシマシ。オールタイムベスト『THE FIGHTING MAN』のリリースにはじまり、47都道府県ツアー、年末の『NHK紅白歌合戦』出演と、その唯一無二の存在をあらためてシーンに提示した活動が評価された。ステージでは、代表曲「悲しみの果て」、「ガストロンジャー」で熱狂的なパフォーマンスを見せた。

Hi-STANDARDは「BEST PUNK/LOUD ROCK ARTIST」を受賞、そして18年ぶりのリリースとなったアルバム『The Gift』では、「ALBUM OF THE YEAR」を獲得。事前アナウンスなしのリリースや、40万通の応募があったという『THE GIFT TOUR 2017』の開催など、ファンを楽しませようとする遊び心とモンスターバンドとしての実力を名実ともに見せつけた1年となった。


それぞれのアーティストがクオリティの高い作品を発表し、さらに映像やライブなどにも工夫を交えて、様々な方法で音楽を届けてきたこの1年。『SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2018』は、そんな1年の活気を映し出すような受賞結果、そしてライブパフォーマンスとなった。

文=渡辺彰浩
Real Sound