REPORT

2019年3月7日(木)のSPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2019 授賞式のイベントレポートを公開!

スペースシャワーTVが主催する音楽の祭典
『SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2019』が、
3月7日に開催された。

このアワードは、スペースシャワーTVの視点で2018年の音楽シーンを総括し、様々な音楽コンテンツで功績をあげたアーティストとクリエイターに、感謝と敬意を込め、表彰するというもの。今回で4回目の開催となり、音楽ファンからの関心も年々高くなっている。そんなお祭りの舞台となったのはNHKホール。ユースケ・サンタマリア、いとうせいこう、きゃりーぱみゅぱみゅというスペシャに欠かせない3人のMCとともに、会場に足を運んだ3500人の観客、テレビや配信を通じた何万もの視聴者が、全26部門におよぶ賞の行方を見守った。


普段のコンサートはことなる異様な熱気に包まれた場内。客電が落ちると、強烈なビートが鳴り響く。オープニングアクトを務めるSTUTSによるパフォーマンスだ。巧みなMPCさばきでこれから始まる4時間のパーティへの興奮を高めた。

そして、MCのユースケ&せいこうコンビが登場すると、彼らは客席に起立を促し、1組目のアーティストの登場を待ち構えた。現れたのはきゃりーぱみゅぱみゅ。赤を基調とした鮮やかな衣装をひるがえしながら『音ノ国』を披露した。ユースケが言うように、まさに「祭りだ!」なオープニング。きゃりーは「BEST ART DIRECTION VIDEO」を受賞した。

続いて、「BEST MALE ARTIST」を受賞したのは米津玄師。受賞コメントでは、「自分を取り巻く環境が変化した一年だったと思います」と自ら振り返った。

「BEST FEMALE ARTIST」は宇多田ヒカルの手に渡り、受賞メッセージの手紙が読み上げられた。「2018年は、アルバムを出したり12年ぶりにツアーをやったり、精力的に活動した」と言うように、デビュー20周年イヤーの最後を飾る受賞となった。

星野源は「BEST POP ARTIST」と「ALBUM OF THE YEAR」を受賞。彼がステージに現れると、オーディエンスは総立ちで祝福。星野は「自分が好きだと思うポップスを詰め込んで、音楽が詳しい人が『なんだこりゃ!?』ってなるような音楽、世界中のどこで聴いても胸を張れる音楽を作りたかった」と、名作『POP VIRUS』について語ってくれた。

「BEST BREAKTHROUGH ARTIST」に輝いたNulbarichは『Kiss You Back』をプレイし、今のバンドの勢いを感じさせるパフォーマンスを展開。満面の笑みを浮かべるメンバーの姿が印象的だった。「めっちゃ緊張したっす!」というJQだったが、その後に続く、「世界の音楽シーンを視野に入れた活動をしたい」というコメントに彼らの志の高さを感じさせた。

衣装チェンジを終えたきゃりーがステージに戻り、アワードは3人で進行再開。そして、発表されたのは「BEST HIP HOP ARTIST」。受賞トロフィーは2018年に大きく飛躍したクルーBAD HOPに手渡された。昨年は、Zepp Tokyo公演を終えてすぐに日本武道館公演が決まるという異例の展開を見せた彼ら。授賞式にはメンバーを代表しBenjazzyとG-Kidが登場。「武道館は今までで一番楽しいライブでした」と笑顔で振り返った。

「BEST GROOVE ARTIST」はオープニングアクトを務めたSTUTS。「こういった賞をもらうのは初めて」と述べ、「自身のルーツであるHIP HOPをもっと広めたい」と意気込みを語った。

授賞式が始まって約1時間が経過し、さらに熱気が高まっていく中、「BEST ALTERNATIVE ARTIST」が発表された。トロフィーを獲得したのはcero。「ceroは編成を変えながらやっていくバンドなのでバンドが一番いい時期にアルバムとツアーができました」と答えた。

「BEST ROCK ARTIST」のプレゼンターはマキシマム ザ ホルモンのダイスケはん(キャーキャーうるさい方)とナヲ(ドラムと女声と姉)……かと思いきや、ナヲに本当にそっくりな実母・キャサリン令子が登場。ひとしきり茶番を繰り広げたあと、今度こそナヲが登場し、ようやく受賞者の発表へ。「BEST ROCK ARTIST」に輝いたのはWANIMA。彼らの名前がコールされた瞬間、大歓声と共にオーディエンスが立ち上がり、ステージに現れた3人を祝福した。「僕らが開催できてるのはみなさんのおかげです」とメッセージを伝えた後、WANIMAのライブがスタート。新曲『アゲイン』、続いて『シグナル』をプレイし、ここが授賞式の会場であることを忘れさせるほどの熱演を展開。多くの観客が拳を突き上げて熱狂した。WANIMAのパフォーマンス後には、「実質、今の日本を代表するアワードだと思う!」という視聴者からのツイートが紹介された。

ライブの企画・演出が最も優れたアーティストに授与される「BEST LIVE PRODUCTION」は、SEKAI NO OWARIに贈られた。規格外のスケールとなった「INSOMNIA TRAIN」は列車をテーマにしたツアーだったが、彼らのこだわりはそこだけでなく、日没に合わせて会場によってセットリストを変えるなど、非常に細やかなこだわりが光るライブだった。

「BEST INTERNATIONAL ARTIST」は最新アルバム『thank u, next』が大ヒット中のアリアナ・グランデが獲得。昨年夏に発表した『Sweetener』の興奮が冷めやらぬ中、精力的な活動を続ける彼女。MC陣は日本好きな彼女のエピソードでトークに華を咲かせた。

「BEST PUNK / LOUD ROCK ARTIST」のプレゼンターを務めたのはハマ・オカモト(OKAMOTO'S)と三原勇希。そして、彼らの口からコールされたのは、04 Limited Sazabys。これまで賞レースに縁がなかったというフォーリミにとって、これが初受賞。昨年の彼らはアリーナツアーや主催フェスの成功、アルバム『SOIL』のヒットなど受賞理由は枚挙にいとまがない。文句なしの受賞だ。

「BEST GROUP ARTIST」に輝いたのは[ALEXANDROS]。受賞VTRが流れ終わるや否や、ボーカル 川上洋平による「ウォーオ!」という場内に響き渡る第一声とともに『アルペジオ』のライブパフォーマンスがスタート。日本のロックシーンのど真ん中を突き進む彼らの演奏はタイトかつ、重厚。「素敵なものをいただきまして、ありがとうございます!」という喜びの声に続いて鳴らされたのは、『Mosquito Bite』のヘヴィなギターリフ。授賞式の中盤に訪れた濃厚なロックンロールタイムに観客は酔いしれた。歴代3回目の受賞で「トロフィーを誰の家に飾るかは、ジャケンで決めます」と話した。

最も革新的な活動をしたアーティストに贈られる「BEST NEW VISION」を受賞したのはマキシマム ザ ホルモン。異例の書籍リリースとなった『これからの麺カタコッテリの話をしよう』など、今なお挑戦的な活動を続ける彼らの功績を評しての受賞となった。
ダイスケはんがお笑いタレント スギちゃんから譲り受けた衣装で登場。マキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)から「今、CDってジャケ買いの文化がないんですよ。だけど本屋ならジャケ買いするかなと思って、無理やり本屋にねじ込んだ」と、作品リリースを書籍にした理由が述べられた。

「BEST MUSIC FILM」は『SOUNDS LIKE SHIT: the story of Hi-STANDARD』が受賞。会場には監督の梅田航とHi-STANDARD を代表して横山健が登場。3年間ずっとHi-STANDARDの姿を追い続けた梅田監督のことを横山健は「ストーカーですよ!」と冗談ぽくイジったが、最後には「彼を褒めてあげたい」と称え、監督は「人生一生懸命生きていればいいこともあるかもしれないということを感じてほしい」と述べた。

「BEST VIDEO DIRECTOR」を獲得したのは映像作家・山田智和。米津玄師『Lemon』、ゆず『うたエール』、KID FRESINO『Coincidence』、あいみょん『マリーゴールド』といった、2018年を代表する名ビデオを多数手掛け、誰もが納得の受賞となった。「ここまで導いていただいたアーティストと素敵な楽曲に出会えたことが、自分の財産です」と関わった人々に感謝の意を示した。そして、「自分と自分たちのストーリー、生活の延長にあるような作品を作りたい」と今後の意気込みを語った。

コンセプトが最も優れたミュージックビデオに授与される「BEST CONCEPTUAL VIDEO」は、PUNPEE『タイムマシーンにのって』が獲得した。PUNPEEは昨年の「BEST HIP HOP ARTIST」に続いての受賞。せいこう曰く、「アーティストよりもアーティストらしい格好」で現れた監督・Ghetto Hollywoodが異彩を放った。「(作品の)プロモーション期間内に監督を選べなかったから、時間を気にせず自分たちのやりたいように取り組んだ」というこのアニメーション作品は、それだけの時間と手間ひまをかけた意味のある、非常に心踊る内容となっている。

楽曲をはじめ、ミュージックビデオ、アートワークなど創造性溢れる作品群に贈られる「BEST CREATIVE WORKS」を獲得したあいみょんは、ライブパフォーマンスで大ヒット曲『マリーゴールド』と『今夜このまま』を披露。観客は皆、軽く体を揺らしつつも、じっとステージを見守った。中には感動の涙を流す人も現れ、短時間ながらオーディエンスの心を鷲掴みにする熱演となった。ライブ後、「2018年はすぐに終わっちゃいました。今後もこのまま活動を続けていけたら」と今後の抱負を語りつつ、「私生活も大事にしていきたい」と素直な胸の内を明かした。「あいみょんの飾らないところがいい!」と評するユースケが印象的だった。

音楽シーンに貢献し、多大な影響を与え続けているアーティストに授与される「BEST RESPECT ARTIST」は、サザンオールスターズが獲得。デビューから40年を経過した今なお日本の音楽シーンのトップに君臨し続ける彼ら。本人の出演はなかったものの、40年前に彼らのライブを初めて観たというせいこうの貴重なエピソードが飛び出した。

「BEST ACTIVE OVERSEAS」と「VIDEO OF THE YEAR」のダブル受賞となったのはRADWIMPS。事前に出演が告知されていなかった3人が勢いよくステージに現れると、大歓声とともに観客は総立ち。あまりの歓迎ぶりに、野田は「緊張するな」とポツリ。
「2つの賞とも、海外でのライブは沢山のスタッフにささえられて出来たものだし、ビデオも監督はじめ沢山のスタッフがいないと成立しない、この大きな2つの賞をいただけて嬉しいです。」とスピーチした。

サプライズはさらに続く。「BEST COLLABORATION」を受賞した東京スカパラダイスオーケストラは、『Paradise Has No Border』のライブパフォーマンスで観客を煽りまくる。ほんの数分でワンマンライブのような一体感を生み出した。その後スクリーンには炎が燃え盛る映像が映し出されシルエットが浮かび上がった。……そう、『明日以外すべて燃やせ』でフィーチャーされている宮本浩次の登場だ。このシークレットゲストに観客はさらに熱狂。ステージを飛び回り、メンバーに抱きつき、観客を煽りまくる宮本の力強い歌声が、授賞式の大詰めを迎えたNHKホールに響き渡った。あらためて『明日以外すべて燃やせfeat.宮本浩次』に「BEST COLLABORATION」が授与されることが述べられトロフィーが授与された。ライブ後、「大人はすごいなっていうライブを見せてくれて嬉しい!」とせいこうも興奮を隠せない様子だった。

さあ、残る賞は3つ。まず、「SONG OF THE YEAR」を獲得したのは米津玄師『Lemon』。
デジタルダウンロード250万、3億2千万もの再生回数を記録したこの楽曲は、2018年を象徴する曲となり、日本を代表する曲となった。受賞VTRの中で米津は、「自分が想像していなかった広がりを見せた曲になり、みんなの曲になった。こういうことは何度も経験できることではない」とVTRで喜びを語った。

そして、授賞式の最後を飾るのは「PEOPLE'S CHOICE」と「ARTIST OF THE YEAR」。まず、約50万もの投票によって選ばれた「PEOPLE'S CHOICE」は星野源。そして、2018年の顔とも言える「ARTIST OF THE YEAR」にも星野が輝いた。彼は「BEST POP ARTIST」と「ALBUM OF THE YEAR」と合わせ4部門受賞、4年連続受賞という史上初の快挙を成し遂げ、現在の日本の音楽シーンにおける彼の存在感の強さを示す結果を残した。

4冠をうけて、本日最後のライブアクトとなった星野源は、観客の大歓声のなか『Pop Virus』と『Week End』をプレイ。バンドメンバーには現在開催中の5大ドームツアーとほぼ同じ顔ぶれが揃い、ツアーの勢いのままにグルーヴィな演奏を展開。観客も「自由に踊って!」という星野の呼びかけに応え、思い思いに体を揺らし最後は大合唱となりフィナーレでは「ありがとう!素晴らしい賞を4つももらった!星野源でした」とライブを締めくくると銀テープが放たれ会場は歓喜に包まれた。
受賞インタビューでは4つのトロフィーを手にし、「聞いてくれた皆さん。応援してくれた皆さん、そして支えてくれたスタッフ、ミュージシャンのみなさんのおかげです。ありがとうございます!」と感謝の気持ちを伝えた。

今年のスペシャアワードは、7組ものライブアクトをはじめ実に多くのアーティストがステージに登場する豪華で賑やかなものとなり、音楽シーンの盛り上がりを感じることができた。2019年はまだ始まったばかりだが、すでに多くの名曲や名MVが生まれている。また1年後、どんなアーティストや、その作品が喝采を浴びるのか楽しみでならない。

文=阿刀大志